sat0shi1’s diary

音楽中毒で面白いことが大好きです…(^-^)

番町皿屋敷 愛する人のために-家宝の皿に賭けた一途な想い

https://youtu.be/rpaufcj1jg4

 

<第4回> 「番町皿屋敷
青山播磨(吹越満)は七百石の旗本だが、屋敷の庭には草木が生い茂り、不気味な雰囲気だ。
夜になると井戸のあたりに白装束の女の亡霊が出る。
播磨の用人の柴田十太夫金田明夫)が、陰陽師・蘆屋道三(竹中直人)の長屋を訪ねた。
太夫は道三に亡霊の話をして、悪霊払いを依頼する。
亡霊が出るのは一年ほど前からで、播磨が手討ちにしたお菊という腰元の亡霊ではないかと言う。
お菊は大店の一人娘で美人で気立てがよく、行儀作法もきちんと身についていた。ところが店が火事で両親が亡くなり、二年前に青山家で奉公するようになった。
腰元としては申し分なかったのだが、ある日悲劇が起きた。
大切な客を迎えての仕事中に、お菊は青山家の家宝の錦の皿を割ってしまったのだ。
皿は十枚あって、家に繁栄をもたらす皿として初代当主以来大切にされてきた。皿を割った者は、即刻手討ちと家訓で決まっていた。
播磨は、白装束になって死を覚悟したお菊を一太刀で斬った。その拍子に、かんざしが井戸の中に落ちた。
それ以来、青山家には不吉なことが続いた。
明るかった播磨は別人のようになり、血に飢えた獣のようにヤクザと喧嘩をした。 酒におぼれ、死に急いでいるかのようだ。
決まりかけていた縁談も破談になった。
道三は十太夫と屋敷に行き、お祓いをしようとするが、「悪霊などいない」と播磨が怒って刀を振り回すので帰宅する。
道三は、屋敷にお菊がいるのを見た。 その夜、道三の家にお菊が訪ねて来た。
「播磨殿を許せないであろうな」と尋ねる道三に、お菊は、「恨むなどもってのほか。播磨様こそ私の生きがい。どうかお守り下さい」と意外なことを言った。
お菊が人生で一番幸せだった日々の話が始まった。
二十五歳の播磨はある日、お菊を妻にしたいと言う。
身分の違いも乗り越えるという播磨は、母の形見のかんざしをお菊に与えた。二人は結ばれ、お菊は天にも登る気持ちだった。
播磨の伯母・真弓(加賀まりこ)が現れるまでは。
真弓は播磨に、有力者で二千五百石の大身の旗本・大久保の娘との縁談を持ってきた。
播磨は、自分はお菊と一緒になると言う。真弓は激怒する。
そんな会話をお菊は物陰で聞いてしまった。
真弓は何度も来ては、縁談を播磨に勧めた。
そしてお菊に、「思い上がるでないぞ。人には宿命がある。分不相応な夢を見ると不幸になる」ときつく言った。
大久保が青山家に縁談のことで来た。青山家の使用人たちは、「断れば、播磨様は一生出世できない」などと話している。
それを聞くお菊に、十太夫が、もてなしには高麗皿を使うように命じた。その時、もし割ったらお手討ちだ、と言って注意した。

播磨はお菊に、「大久保殿と伯母の前で、お前を妻にするとはっきり言う」と言った。お菊は、「いけませぬ」と言うが、播磨は取り合わない。高麗皿を手にしたお菊の心は乱れた。だが最後には、播磨の出世のためには自分がいてはいけない、と思ったのだ。
お菊は皿から手を離した。それが自分の命を捨てることだと知りながら・・・。

播磨はお菊から皿を割った理由を聞く。動揺しながら、家訓を無視してお菊を逃がそうとする播磨だが、お菊は、「お側を離れて生きるつもりはありません。諦めきれないから皿を割ったのです。どうか斬って下さい」と泣きはらした目で播磨に訴えた。
道三に、「あの方が命を粗末にしないように伝えてください」と言うとともに、お菊の姿が消えた。後にかんざしが残った。
道三が屋敷に行くと、播磨はまた喧嘩に行くところだった。かんざしを見せて、お菊の気持ちを話す道三だが、播磨は刀を持って走り出す。腕の立つ播磨だが、今度は多勢に無勢で、ヤクザたちに斬り刻まれる。
「菊・・・俺も行く」と言って播磨は息絶えた。 かけつけた道三は遺体の胸にかんざしを置く。その時道三の目には、播磨とお菊が微笑みながら寄り添う姿が見えた。


f:id:sat0shi1:20220911043949j:image